世田谷パブリックシアターへ。K列の真ん中。とても見やすかった〜。
「戯曲があるものだから結末は決まっているのに森さんだからなんて勝手に悪いことばかり想像していて、アメリカでの場面は稽古?なんてホッとしたって思ったのも束の間。悲しくなっちゃった。演出もキャストも美術(大好きな盆)も照明も素晴らしく、充実した時間でした。」
「ビリーが住んでいたのはイニシュマン島じゃないのね。風と波に打たれる岩石でできている孤島。牛と石しかないような。
ビリーを演じた古川くんは顔のラインも美しかったわ。 」
と移動中にTweet。 ↑ イニシュマン島でよかったです・・。俳優になろうとビリーとヘレンとバートリーが船で渡った、映画の撮影隊が来た島の名前がイニシュモア島。勘違いしてた〜。アイルランドの西海岸から15マイル離れたアラン諸島のうちの一つの小さな島がイニシュマン島。
ダニエル・ラドクリフがブロードウェイで主演したらしいけれど、古川くんのビリー、とてもよかったわ。とても難しい姿勢での演技、筋肉通になるだろうな。というか、キャスト全員(それぞれ個性が強くて)素晴らしかった。ほんと全員。全員がむき出しでピュア。
「悲しくも切ないブラック・コメディ」とあったけれど、私はコメディとして見られなかったです。とても不思議な感覚でドラマを見ていた感じ。
ヘレンとバートリー姉弟が見せた「イングランド対アイルランド」ゲームにアイルランドの歴史が垣間見れたり。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2414109.html
暴力的だけど、とってもピュアなヘレン役の鈴木杏ちゃんのイラストTシャツ。イラスト上手いね!!即決で購入しました。
作: マーティン・マクドナー Martin McDonagh 演出: 森新太郎 翻訳: 目黒条 美術:堀尾幸男 照明:佐藤啓 音響:藤田赤目 衣裳:西原梨恵 ヘアメイク:佐藤裕子
出演:古川雄輝、鈴木杏、柄本時生、山西惇、峯村リエ、平田敦子、小林正寛、藤木孝、江波杏子
ものがたり「1930 年代半ば、アイルランドのアラン諸島にあるイニシュマン島。辺鄙な島のなかでも、さらに田舎の一角に、アイリーンとケイト、二人の老女が営む小さな商店がある。彼女らと一緒に住んでいるのは、生まれつき片手・片足が不自由な甥のビリー。島民みんなから哀れまれ、馬鹿にされているビリーだったが、彼自身は悟りでも開いたかのような穏やかさで、読書と、時折ぼんやりと牛を眺めては時間を潰し、日々を過ごしている。島中の噂話を新聞屋よろしく触れ回っては食料などをたかるジョニーパティーンマイクと、アル中の母親マミー。可愛い容姿とは裏腹に口も態度もサイアクのヘレンと、うす馬鹿のバートリー姉弟。島の人々に振り回されるドクター・マクシャリー。ろくでもないご近所づきあいと、変わらぬ毎日に誰もがうんざりしているのが島での暮らしだ。そんな時、ジョニーパティーンマイクが近くのイニシュモア島に、ハリウッドから撮影隊が来るというビッグ・ニュースを運んでくる。浮き足立つ人々。ヘレンは島で唯一のハンサムガイ・バビーボビーに島への送迎を頼み、撮影隊に接触しようとする。話を聞いていたビリーも、いつにない熱心さで「作戦」を練り、行動を起こす。ハリウッドと映画。島の人々にとっての「夢」は、ビリーの運命を大きく変えていき……。」
「ひとりとしてアクの弱い人間はいないマクドナーの登場人物たち、それぞれにピタリとハマった理想のキャスティングにまずは興奮させられる。荒びれた店にたたずむ平田、峯岸の老姉妹は、まったく似ていない風貌での滑稽なやりとりで失笑を誘いながら、ビリーに注ぐ愛情で強固なつながりを見せる。傑出していたのが山西の怪演だ。諍いを掘り起こし、人々を困惑させるのが大好物の“困った老人”を喜々と表出する様が、憎らしくも愛おしく、笑いを抑えられない。鈴木の思い切りのいい表現もいい。哀しみと鬱憤を詰め込んだ暴力、暴言の数々がなぜか見るものの頬を緩ませ、彼女のいらだちに共鳴させる。柄本は独自の個性を存分に発揮した役どころだが、とぼけ顔のバートリーの胸の内に起こった静かな反乱を丁寧に見せていた。ビリー役の古川はハンディキャップを表現しながら、序盤は傍若無人な周囲の人々を穏やかにみつめ、つましくたたずむ。その謎めいた存在が周りの騒音にあおられて徐々に血や肉をつけ、感情を吐露していく様が面白い。ビリーの野心、歓喜、葛藤、失望を繊細につむぎ出す好演を見せた。 」(上野紀子さん)http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201603250010