ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

東京芸術祭2016 芸劇オータムセレクション『かもめ』2回目★★★★★ 

 頭痛がなくなったので芸劇へ(あってもひどくなければ行ったと思うけれど)
 朝食が遅かったのでパンケーキ。当日券の長い列を見ながら。
 
[ 今日はI列 (6列目)で。先日最前列で見えなかった奥まで見えて、ドレープたっぷりのカーテンの繊細に変わる色(照明)も楽しめました。
頭を怪我(全治10日)をしている田中圭くんは、それを全く感じさせなかったです。出てきてすぐに私もそのこと忘れてしまったもの。人気作家のトリゴーリン、素敵なので。

1回目 http://d.hatena.ne.jp/Magnoliarida/20161108/1478619616

一、二幕と三、四幕がガラリと違う舞台。熊林さんの演出、本当に好きです。今まで観てきた『かもめ』よりトレープレフとアルカージナの存在が弱いけれど、木内さんの脚本はチェーホフの戯曲、神西清さん訳(改めて読んだ)のセリフに、ほぼ忠実なので、すごくしっくりきます。コースチャがワルツを弾くピアノが舞台にあるのも良かった(実際坂口くんが弾く)。違うなと思ったのは、相手を呼ぶときに呼び捨てではなく、「〜さん」って呼ぶところかな。
 
満島ひかりちゃんのニーナが本当に素晴らしい。中嶋朋子ちゃんのマーシャもだけど。
一幕のニーナはコースチャ(トレープレフ坂口健太郎)のこと大好きだけれど、才能に関しては不満だということがわかるし、なので元々憧れていた作家が若くて(40にもなっていない)セクシーなんだから、好きにならずにいられないよね。なので二幕に、コースチャに「親友」だと釘をさす。全く女って・・(気持ちわかるけれど)
でも、憧れのトリゴーリンと野心抜きでラブラブする場面がとても美しい。その先に何が起ころうと。トリゴーリンの方はストレートで眩しいニーナと一時のアヴァンチュールを楽しんでいるよう。(湖のほとりに、かもめのように幸福で自由な娘が住んでいる。ふとやってきた男が、その娘を見て、退屈まぎれに、娘を破滅させてしまう〜 という話が浮かんだと言ったトリゴーリン)←予言か?というセリフが其処彼処に。
 
ニーナとの場面で、圭くんに熊林さんから「二幕、ニーナを見ながらしゃべるときは、時々イっちゃう感じで言ってみて」という指示が出たとパンフレットに書いてあったことを「ホントだ(笑)」と思い出したり。
 
四幕の登場人物たちの衣裳のカラーがペアになっていて、イリーナにべったりしているトリゴーリンにイラっとなる。モスクワで夢破れたニーナのことがまるでなかったことのようで・・。
 
ラストシーンの “剥製のかもめ” (ニーナ)の背中がとても切ない。
 
トレープレフ役の坂口健太郎くんがモデルで終わらず俳優になってくれてよかったわ。蜷川さんもきっと目をつけていたんじゃないかなぁ。声もよくてね。
 アドリブのようでもある動きとかせりふ、どこまでが熊林さんの演出なのか、木内さんの台本なのか、俳優さんたちから提案されたものなのか、すごく知りたーーい。
朋子さんは熊林さんとオリエさんと1年前からテキストを読み込む勉強会をしていたらしい。坂口くんは、自分の出ていない場面には立ち会わない稽古だと書いていてあった。ずっとじゃないだろうけれど、なんか新鮮。時間をかけて丁寧に新しい「かもめ」を作ったのですね。
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