ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女/La jeune fille sans mains』★★★★★ 

水墨画のようなタッチのアニメーション。華やかな色は使われていませんが、とても美しく清らかで、そして強く、豊かな世界でした。上映がはじまったばかりなので、これくらいに・・。
私の好きな人たちに観て欲しい。
「19世紀初頭に書かれたグリム童話に初版から収録されている民話「手なしむすめ」を長編アニメーション映画化。フランスの新鋭セバスチャン・ローデンバック監督が、ひとりですべての作画を担い、「クリプトキノグラフィー」と呼ぶ独特の映像表現手法でアニメ化した。世界最大のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭で、審査員特別賞を受賞。」

公式サイト http://newdeer.net/girl/
監督:セバスチャン・ローデンバック 原作:ヤコブ・L・C・グリム、ウィルヘルム・C・グリム 脚本:セバスチャン・ローデンバック 編集:サンティ・ミナーシ 音楽:オリヴィエ・メラノ
声の出演 アナイス・ドゥムースティエ:少女 ジェレミー・エルカイム:王子 フィリップ・ローデンバック:悪魔 サッシャ・ブルド:庭師 オリビエ・ブロシュ:父 フランソワーズ・ルブラン:母 エリナ・レーベンソン
 
 オリヴィエ・メラノ(Olivier Mellano)の音楽もすごく良かった。エグいくらいかっこいい。
エンディングの曲 La jeune fille sans mains (Music Soundtrack) - Extrait Wild Girl by Olivier Mellano https://www.youtube.com/watch?v=o7pUxukiD6M
サントラほしいな。https://www.cinezik.org/critiques/affcritique.php?titre=jeune-fille-sans-mains
 
王子のお母さんを描かなかったのは何故だろう。庭師がその役割も担っていた。
 
――『手をなくした少女』の登場人物の配置は非常に現代的だと思います。少女と両親――父親と母親――の関係も興味深いですが、私が特に惹かれたのは、庭師の存在です。
ローデンバック「グリム童話には様々なバージョンが存在し、庭師はそのすべてに登場するわけではありません。しかし、彼は重要な人物だと思いました。城の中で、少女はただ一人の女性です。庭師は男性で、おそらくは少女に恋をしている。そして少女に敬意を示しつつ、彼女を助ける。そういう存在が必要だと感じました。
一方、水車小屋には女性的な要素が2つあります。1つは母親です。母親は娘を助けようとして、結局は助けられない。さらにもう1つ女性的な要素として川(の女神)がいる。これらに変わる要素として、城の中での生活における優しさ、柔和さのある存在として、庭師が必要でした。男性であって、なおかつ女性的な性質を持つ存在です。他の男性とは違います。たとえば王子は彼女を愛しながらも、結局父親と同じように彼女を閉じ込める。しかも、金の檻にです。たとえ彼女を愛していて、情熱があったとしても、非常に不器用な存在なのです。
こんなふうに、城の中での生活と水車小屋での生活は、ある種の鏡像関係になっています。王子の存在は、水車小屋での父親との関係に対応する。城のなかでの庭師は、水車小屋での母親や水の女神に対応する。庭師を優しい存在として描きたかったのは、城の生活がお金はあっても、少女にとって非常に過酷で幸せではない場所だったからです。」