ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

スリル・ミー 成河くんインタビュー 

「問題作『スリル・ミー』で、成河が福士誠治と共に新たな“私”と“彼”の関係性に挑戦」(取材・文=田中里津子さん)https://spice.eplus.jp/articles/198528

「別に『スリル・ミー』だけが特別ではなくどこでもそうなんですが、“愛好家”の中に入っていくことって結構しんどいんですよ。いや、誰にも罪はないし、誰も悪くないんです。これは舞台に限った話でもなく、一見さんお断りの店も実際にはありますしね。だけど、じゃあ、演劇ってなんだっけ? って話になってしまうんですよ。僕は、演劇は一見さんにもぜひ来てほしいと思うので。」
「きっと、誰もそんな空気を出したつもりはないんでしょうけど、僕みたいなとてもひねくれた男性客は感じちゃったんですよね。いかにも、いい男たちがいい男たちのようにふるまい、いい男たちのようにキスをする。そりゃ、しますよ(笑)。いいんです、それで広げていけたところもあるんですから。だけど、じゃあ、その次はどうするの? ってことなんです。まあ、それなら僕みたいにひねくれた男性客はスルーすればいいんだろうけど、ところがこの作品そのものはとても真面目で、社会的にも意味があるもので、胸ぐらつかまれるような勢いすら感じられたので。正直、バランスが悪いなあと思ったわけです(笑)。だって胸ぐらをつかむ瞬間、女性客が揃って胸ぐらを差し出しているような雰囲気になっているように思えてしまったので。さあ、つかんで、私の胸ぐらをって(笑)。そう言ってくる相手の胸ぐらをつかんでも、そこにはもう本来の意味はないんですよ。」
 
ーー“彼”をやりたがってた、とか?「ううん、それはちょっと語弊があるな。やりたかったというより、ただ僕は“彼”というキャラクターが非常に難しい役だと思っていたんです。要は、“語るに落ちていく役”だから。終盤に行けば行くほど、単純な奴になっていくでしょう。逆に“私”は後半どんどん複雑な奴になっていく。そういう構造の劇なんです。そこで、この語るに落ちていく“彼”をどういう人物に作るか、と考えると難しいんですよ。 “私”は、そう書かれているからどんどん勝手に面白くなるんだけど、“彼”は普通にやっているだけではどんどんつまらなくなりそうで。それをどうするかという戦略がなかなか思いつかなくてね。」
 
「〜でも本当に社会的にものを考えたい男性にはうってつけの作品ですよ。きっと演劇が娯楽だと思われているから、男性が少ないんだろうな。だけど娯楽にもいろいろな種類があって、明日もがんばって嫌な仕事ができるための気楽なものがあっても当然いいんだけど、そうじゃない娯楽もあるべきだと思うんです。仕事に活かせるというか、仕事自体を根本的に考え直すきっかけにもなるものや、自分の人生そのものをもっと豊かにしようと思わせてくれるもの。それって観て、考えることができるかどうかだと思うんです。まさしくこれはそういう作品なので、だからこそ男性が観ないのはもったいない。ですから女性のみなさんもぜひとも、彼氏、旦那さん、お友達、職場の方、兄弟、お父さん、おじいちゃんを連れて(笑)、観に来てください!」
 
成河くんが出演しなかったら好み的に観ることもなく終わったと思うスリル・ミー。成河くんだから本当に楽しみ。
成河くん、でもね、きっとそう思っても後からなかなかチケットが取れないと思うのよ。“愛好家”が多そうですし。男性のみの追加公演とかあればいいのにね。
一見さんが行きやすい(生きやすい)演劇を成河くんが作っていってほしい。私も何かできることあるといいのだけれど。