ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

【おかえり、亮ちゃん】田島亮くん(・中嶋将人)と浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き!! 成河くん、亀田佳明さま、イキウメと浜田信也くん、宮沢氷魚ちゃん、大好きです。 演出家・藤田俊太郎くんを応援しています。小林賢太郎さん・片桐仁さんが大好き。ラーメンズは永遠に好き。BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、B'z、EddieRedmayne、大橋トリオ、kitori、宮本浩次さん。みんな大好き。なにより空が好き。 都々逸やっています。

イキウメ『天の敵』2回目★★★★★

イキウメ『天の敵』初日★★★★★ 

本多劇場にて初日ぶりのイキウメ『天の敵』2回目。雷の影響で井の頭線が止まっていたため5分押しで開演。今日はB列センターブロック上手より。


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『天の敵』、最高におもしろくて大好きなのにその思いをちゃんと文字にして伝えられなくて歯痒い。
今回の浜ちゃんなんて演技というより存在が神がかってる(お肌も43歳の肌じゃない…リアル卯太郎か!)演技もこれまで以上に上手い。

場所は人気料理家・橋本和夫(浜ちゃん,浜田信也)のアトリエ。「3秒クッキング」というテレビ番組の収録です。

「ジャーナリストの寺泊は、食事療法の取材中、戦後まもない1947年に「完全食と不食」について論文を書いた医師、長谷川卯太郎を知る。卯太郎の写真が菜食の人気料理家、橋本和夫に酷似していたことで、寺泊は二人の血縁を疑い、橋本に取材を申し込む。」

ジャーナリストの寺泊満(安井順平)はASLという難病を抱えていて、妻の優子(豊田エリー)は彼のために橋本が提唱する食餌療法を学んでいたので、満を紹介できた。

「長谷川卯太郎は私です。今年で122歳になる」

 

以下、ネタバレあり。

 

どう見ても40歳くらいの橋本和夫が語りはじめた自分の過去はとても数奇なものだった。話は戦地まで遡る。シベリアに出兵した20歳そこそこの長谷川卯太郎(大久保祥太郎。一役を二人で演じる設定。大久保祥太郎くんは若い卯太郎を演じてます)。23歳のとき飢餓で食糧を求め彷徨っていた満州で時枝悟(森下創)と出会う。彼には人間が生きていくための思想があり、その戦地で時枝という食の求道者との出会いが大きかった。そして戦地から戻り医者になり糸魚川医師(市川しんぺー)を師事する。122歳まで生きてしまった卯太郎さんが素晴らしいのは自分が長生きしたい欲ではなく、あくまでも人類のためにとってきた行動だからだと思う。協力して研究してくれていたのは糸魚川先生だけど飲血してご病気が治ることは選ばなかった。

飲血者として生きている卯太郎とは太陽の下を歩けない、美味しいお食事も楽しめない、若返っても何も楽しめない妻トミ(瀧内公美)が壊れていくのはよくわかる。寂しすぎる。卯太郎が大切な人と共に老いることもできない孤独を受け入れ、生き続けているのも苦しい。

そんな数奇な人生の記憶の回想シーンを現在の安井さん演じる寺泊満が見ている。途中からは寺泊はその記憶にいる演出(もちろん過去にはいない)、過去と現在が交錯する演出は気持ちいいほど前川さんらしいし、それは浜ちゃんと安井さんだから成立してるよね。

【前川さんのTweetより「聞き手(ジャーナリスト・安井さん)と語り手(122歳の卯太郎・浜ちゃん)、ワキとシテ。この繋がりの伸縮が、記憶(卯太郎が出会った人々)を召喚するようにやっています。」】

寺泊がただの聞き手じゃなくなったのは卯太郎さんがヤクザに絡まれたところからかな、卯太郎の隣に寺泊が並んで土下座…。ここでヤクザの下っ端19歳の玉田欣司(大久保人衛)と出会い友情を深めるのも浜ちゃんと人衛くんのテッパンでイキウメ好きとしてはキュンとなるわけです。ボーリング🎳場で玉田欣司から名前を借りて(戸籍がないから)舞台奥から客席に向かってボールを投げられるのは本多劇場の奥行きになったからだね😊。欣司が「ポーの一族」を愛読していたのもすごい偶然。だけど卯太郎さんはポーの一族と違って自分だけで終わらせるつもりだったよね。最愛の妻を亡くしたから。f:id:Magnoliarida:20220927152434j:image(撮影:田中亜紀さん)

114歳になった卯太郎(見た目は40歳)が街で出会ったのは美しい妻に激似の恵。(浜ちゃんに「お茶でも」なんて言ってもらえたら血を取られなくても失神するな❤️)恵はベジタリアンだったからどうやら血も美味しいらしい… 。

卯太郎が寺泊に「↑飲みたい」と訴え、実行してしまう場面のコミカルさもいいな。

なんかまとめられなくてダラダラ書いてます。f:id:Magnoliarida:20220927152706j:image(撮影:田中亜紀さん)

自分が原因で、約束を破り飲血し不老不死を選んでしまった糸魚川典明と佐和子夫妻。彼らを「終わらせる」と卯太郎。飲血が連鎖することを知っていたから。“太陽の下を歩けない”「天の敵」は自分だけで終わらせるのでしょう。

ラスト、どこまでがほんとうのことなのかと卯太郎に聞く寺泊。もちろん返事はなく。

「終わらせる」

帰り際にカメラバッグを手から落とす寺泊の顔、卯太郎のアトリエ冷蔵庫を開ける寺泊の顔にしばらく息ができなかった… ところで暗転。

[作・演出]前川知大 

[出演]浜田信也 / 安井順平 / 盛隆二 / 森下創 / 大窪人衛 / 瀧内公美 / 豊田エリー / 大久保祥太郎 / 高橋佳子 / 牧凌平 / 澤田育子 / 市川しんぺー

[スタッフ]ドラマターグ・舞台監督:谷澤拓巳 美術:土岐研一 照明:佐藤啓 作曲:かみむら周平 音響:青木タクヘイ 衣裳:今村あずさ ヘアメイク:西川直子 ステージング:下司尚実


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一気に書いたので明日読み直す。

ほんと、何よりどんなものよりオリジナル作品の力ってすごいなぁ。って私は思います。ものにもよるけれどね。

そういえば、卯太郎さんの衣裳が黒になっていた。白でも黒でも清潔感が漏れる浜ちゃん。2017年の天の敵↓ f:id:Magnoliarida:20220928194604j:image


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