亀田佳明インタビュー~舞台『ブレイキング・ザ・コード』主演で、アラン・チューリング役に挑む思い
今作の上演は、1988年に劇団四季で日本初演された後、最後に上演された1990年以来33年ぶりとなる。主役のアラン・チューリングを演じる亀田佳明に、今作へ挑む思いを聞いた。
(劇団四季で日本初演って。劇団四季のために寺山修司が「血は立ったまま眠っている」を書いたとかこの前知ったばかり。劇団四季ってすごいね。)
(取材・文=久田絢子さん)亀ちゃんのお写真(撮影:岩間辰徳さん)全部素敵ーーーー。 以下、一部抜粋
「今作の中には「2000年までには知性を備えたコンピューターが現実的になる」というようなチューリングのセリフも出てきます。その予測はほぼ当たっていますよね。チューリングの時代から70年ほどでここまで科学が進化しているわけだから、この先300年くらい経ったらどれだけすごいことになるのか、それともここからはそんなに先には進まないのか、想像すると面白いですよね。あと300年ぐらい生きてみて、この先どうなるのかを見てみたいな、とか思っちゃいますね(笑)。」
――亀田さんはこれまでの舞台でも数々の長セリフを経験されていますが、いつも見事にこなしていらっしゃる印象です。
「いや、自分としてはいつもドキドキで、汗だくになっていますよ(笑)。今回は数学的な箇所が難関で、どういうふうにお客様と共有していけばいいのか、というところがなかなか難しいなとは思っています。意味を伝えれば成立する、というものでもありませんから。そこは演出家としっかりもんでいきたいと思います。」
――亀田さんは舞台上で役を演じているときに、役に共感して同化しながら演じているのか、それとも役から一歩引いたところで俯瞰しながら演じているのか、その辺りは意識されていますか。
「どんな役でも共感できるところを見つけるようにしていますね。でも、それがうまくいかなかったこともありました。そのときはいろいろな条件が重なってしまった結果、役に共感できなかったのですが、演じていてもどこか苦しいというか、つらかったですね。だから僕の場合は、共感できるポイントをまずは見つけるという感じです。同時に、どうせその役そのものにはなれない、という気持ちもあるので、そういう点ではちょっと俯瞰という感覚もあるのかもしれません。」
――個人的な話で恐縮ですが、亀田さんのことは舞台デビュー作となった文学座の『モンテ・クリスト伯』(2004年)から拝見しているので、今作で主演されることがとても感慨深いです。
「懐かしいですね。ほとんどセリフがない役で7役くらいやっていましたが、演出の高瀬久男さんにたくさん怒られました(笑)。」
――2006年の文学座本公演の『アラビアン・ナイト』も高瀬さん演出でしたが、亀田さんの躍動感が未だに忘れられません。
「ぴょんぴょん跳ねて、ものすごく動き回っていましたもんね(笑)。高瀬さんには劇団に入ったばかりの頃からよく使っていただきました。厳しく鍛えられましたが、愛情もいっぱいいただきましたし、語り尽くせないほどの思い出がある演出家です。」
私は2011年の『連結の子』が初・亀ちゃんかなぁ。『モンテ・クリスト伯』『アラビアン・ナイト』観たかった〜〜。
語り 亀ちゃんの「刺青」(谷崎潤一郎) https://magnoliarida.hatenablog.com/entry/20200630/1593516346
https://youtu.be/chsV9d1gSm8 @YouTubeより