吉田鋼太郎さん率いる劇団ＡＵＮを観るのは初めてでした。しかも、シェイクスピアではお馴染みの鋼太郎さんやよこちん（横田栄司）さんのお芝居をさい芸やコクーンなどの大きな劇場じゃなく小劇場で観られるなんて！いやぁ〜ものすごく楽しくて贅沢な時間でした〜:*:・(￣∀￣)・:*:
『この世にそのままの姿であらわれる悪徳はいない、必ずそのうわべに美徳のしるしをつけている。』byバサーニオ
美術はとてもシンプル、カーテンの開け閉めだけで場面転換。そのカーテンに映す照明が効果的に使われている舞台でした。ロマンチックなギター（とマンドリンもかな？）とアントーニオ（中井出健さん）の歌もよかったです。衣装もシンプル（キリスト教徒は白系、ユダヤ教徒は黒系）で一目瞭然なのが嬉しい。
役者さんたちの台詞がテンポよくて・・というか超早口です（しかも長台詞だし！）。なのに美しい調べのようにスッと入ってきました。あんなに早口なのに・・さすがです！！とくにシェイクスピアは言っていることがわからないと楽しめないですもんね。アドリブもあり、ホントに面白かったです。途中休憩10分入れて約2時間45分があっという間でした。だからかな・・もっとずっと観ていたかったです。
鋼太郎＠シャイロックは・・素晴らしかったですよ！！強欲な金貸しシャイロックの傲慢さが憎らしいほど。でもアントーニオにお金を貸すのは金儲けのためではなく、ヴェニスの貿易王アントーニオに対する憎しみ、犬よばわりされていたユダヤ人としての復讐です。その悲しみや悔しさが伝わってきて、切ないほどでした。
中井出＠アントーニオは・・おおっかっこいいわぁ〜 あのアントーニオになら命は惜しくないのがわかる。友情以上のね。歌声と裁判所で髪をほどいたアントーニオの裸にどきどきしました。でも・・最初ぬけめなさそうな谷田歩＠バサーニオはアントーニオの愛情を利用しているのかと思っていましたけれど。（バサーニオの谷田さんって『今は亡きヘンリー・モス』の兄アールでした。いま、思い出しました！！）
よこちん＠グラシアーノーは陽気で表情豊かでお茶目で可愛かった〜。 ☆帰りによこちんさんにぎゅーって握手していただき感動 (T^T)。ファンの方々からたくさんプレゼントもらっていてモテモテでした〜。竜也＠バサーニオのときはシャイロックの娘ジェシカと駆け落ちするロレンゾーでしたよね。2007年のグラシアーノーより今日のグラシアーノーは、さらに奔放で陽気！楽しいひとでした。ラストの妻たち（ポーシャと女中ネリッサ）にバサーニオとグラシアーノーが指輪の言い訳する場面、その言い訳どこまでいっちゃうの〜〜ってくらいよこちんさんには笑わせてもらいました。
そして・・・ポーシャ役の林蘭さん（キャストAチーム）が爽快！！！！！
で、今日の『ヴェニスの商人』のほうが面白かったのは（私もあの頃よりたくさん観ているし、年も重ねたし）バランスも良かったのかな。アンゲロプロスの「旅芸人の記録」って雰囲気でした。
♪浮気心はどこに住む？ 胸の底にか、頭にか？ どうして生まれ、育つのか？ 聞かせておくれ、その答え。
♪浮気心は目に生まれ、目だけで育ち、たちまちに生まれた床で死んで行く。
♪浮気心を弔って、 鐘を慣らそう、ディンドンと。 ディンドンと。。（小田島雄志訳）
アントーニオが歌う浮気心のフレーズが耳について離れない〜〜〜〜
開演前に流れていたScarborough Fair♪ 大好きな曲です。
