番長、おひさしぶりです。今日もお疲れさまです。
昨年末に観たデフロスターズのお芝居に出演していた石田剛太さんと本多力さんが面白くてヨーロッパ企画の存在を知り、その後、上田誠さんの「ゴッホ（黄色）」という短い作品を観て以来、気になってしかたなかったヨーロッパ企画。その上田さん作・演出で、伊達暁さんと、いのっち（井ノ原快彦）も好きですから、これはもう絶対に観たい！！！と早々にチケットを入手しました。
面白かった！！！！めちゃめちゃ好きですよ、これ。もっと早く観ていたら、もう１回観られたかなぁーと思うほど。明日のソワレと19日マチネが千秋楽じゃ・・ はぁ〜ダメだ〜（*￣＾￣*）
そこは近未来の東京・芝浦。洗練された高層マンションが舞台になるかと思っていたら・・・違いました。その隙間に住む（勝手に住みつく）人たちを不動産会社のフジタ（いのっち）とオノ（音尾琢真）がパソコンのブラウザー（インターネットをするためのソフト）で興味津々のぞき見る。見ているうちに、その“秘密基地”（ポストもあり新聞と牛乳も取っている）で楽しそうに生活する住人たちを羨ましく思い、早速そこに家を作るフジタと、美人の管理人さん（芦名星）に会いたいからフジタを手伝い、しまいに自分も住んでしまう同僚オノと住人たちの３日間の物語。
登場人物それぞれのキャラが大変面白いです。管理人さんともうひとりをのぞいて、足を伸ばして眠ることができないコックピットのようなスペースにその人たちなりの人生が全部詰まっています。あっ足を伸ばして眠れるその人は座ったり立ったりの生活はできません。美人の管理人さんが１ヶ月７千円の食費で作ってくれる食事も人気です。舞台上で本当に調理をするのだから、いいにおいです。生姜焼きの匂いはＨ列まで伝わってきました。自給自足をしているサバイバーさん（伊達暁）じゃなくても、お皿をもってうろうろしちゃいそうです。そのサバイバーさんがまたキュートです。寂しがりやで話し好き。つくしを雨水で茹でたり、筍で筑前煮をつくったりして住人のみなさんにもお裾分けを試みてもさりげなく無視されます・・新参者のフジタ以外には。そう、フジタは会社でのぞき見しているときからサバイバーさんの作ったものを食べたいと思っていたのですから。 ←なんかダラダラ書いてしまったわ・・ 全員のことを書きたいくらいなんですけれどね。←だって、のぞき見しているんですから、私たちは。面白いから誰かにしゃべりたくなるんですよ。そして自分だったらどういう部屋にしたいかな〜と考えちゃう。もうすでに私もフジタです。 そういう心理をつかれています、上田誠さんに。
あっ・・最初に書けばよかったのですが、正面の大きな舞台はパソコンのブラウザー画面になっています。その横に小さな窓、その中は狭いオフィスで、デスクの上にはパソコン。会社が持っている芝浦の物件を内見できるブラウザーが入っています。物件を内見するはずが路上で生活する彼らにフジタとオノが釘付けになっていく・・その目線＝私たちの目線。 あーうまく表現できないわ。例えれば・・ヒッチコックの『裏窓』のジェームズ・ステュワートの気分です。
昨日までシェークスピアの浮気心の歌だったのに、今度はSHOP66の音楽が耳について離れません。安心とワケアリのSHOP66は、本多力さんが店主で、ご機嫌な音楽を爆音で流しながらやってくる水上66円ショップです。ワケアリでも安くてワケアリ住人たちに大人気。あるとき住人のひとり、隣りの苦学生（永野宗典）の部屋（？）まで占領している膨大なコレクションのレコードを聴いている時以外は暗いDJさん（角田貴志）が、のせられて一変・・そこはクラブとなり、ミラーボールまで出てきて、熱いハートのDJがおおくりするSHOP66ミックスへ。そこは大変な盛り上がりとなり、対岸のおなじようなスラムの人たち（アジア人も住み着いている）をも踊らせます。
そして・・・気持ちひとつに、住人が一丸となり、翌日の町内運動会へつづきます。
最後はフジタたちの会社により彼らは立ち退きを余儀なくされるのですが、これがもう見事に潔い。美人の管理人さんなんて、もう引っ越先を物色していましたから。みんな自分の家は自分で建てるんですね。
ラストシーンまでの数分間、運動会でのショットが画面に映し出されているその裏で、全員の家を全部を撤去させたスタッフさんたちはお見事です！！ すごいっ 引っ越しの時は頼みたいくらい。
かきたねキッチンで。
