担々麺。トッピングはアワビ。
1997年、竜っちゃんの『身毒丸』で観劇デビュー、竜っちゃんのファンになり、蜷川さんのファンになり、2000年に上演されたときのアリダゴロウちゃんが好きすぎて、arida goroというHNを使っているMagnoliaridaです。同じ公演を二桁観たのは、後にも先にも2000年の『唐版 滝の白糸』だけ。あのときの私は頭が麻痺しおかしくなっていた。アリダが好きというよりこの作品をすごく好きになってしまったのです(だから通った)。ファンになり知り合った友人たちもハマり・・週末はみんなで並んで観てたよね。苺味の血飛沫を浴びたよね〜。私はチケットを買っていない日も当日券で観るために・・体が許すかぎりシアターコクーンに通っていた・・水芸やラストで使われていた曲名を知りたくて初日後にBunkamuraに問い合わせをしたら親切に調べれくれて、「Libera の『Sanctus/サンクトゥス(パッヘルベルのカノン)』」だとわかり、みんなして買ったよね・・天使のような歌声のカノンがアリダの美しさを引き立てていたのです。そんな思い出深い作品でした。(今回使われている場面がちょっと違っていたような・・)
なので、今日は少し心配でした。2011年の『身毒丸』も、別物になっていたので・・。
で、感想は・・ノスタルジックな思いで楽しめました。セリフはほとんど覚えていました(笑)
唐さんの戯曲、言葉遊びは、すごく楽しい。
ん・・・でも、なにか物足りない・・。こんなにあっさりしていたっけ?と思いました。3人の間の空気に隔たりがある感じ?
今日はXC列・・階段そば。水と血飛沫がかかるかもなのでビニールシートが置いてある席(最前列)でした。ほほっ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
静まり返った長屋の前の路上を、少年・アリダが歩いている。
「どうして僕をつけるのですか」
アリダが振り返って叫ぶと、そこには銀メガネをかけた男が立っていた。
十年前に幼いアリダを誘拐しようとした男である。
今日はアリダの兄の一周忌。
兄は同棲していたお甲と心中を図って死に、お甲だけが生き残った。
お甲は兄との間にできた子のミルク代にまで困り、兄に貸した金を返して欲しいとアリダに言ってきたのだった。
銀メガネは言を弄してアリダが用意してきた金を預かってしまう。そこにお甲が現れる。
お甲は時に優しく時に厳しく。さらに哀れを誘うように金をねだる。
明日は、お甲の隣人のアトムたちがプロレス巡業に出発する日。
彼らに旅費を渡したいお甲は、自分の唯一のとりえである〝水芸〟と引き換えにお代をもらおうと決心する。
そして―。
「できます。踊ります。この白糸太夫は!万事はこの一時から!それでは皆様、手首の蛇口をはずしましょう!」
「菖蒲はどこだ、この夜をあやして守る。ぼくらのあやめは!」
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_taki/index.html
竜っちゃんのアリダは18歳で、ほんとうにほんとうに透明感があり清らかで可愛かったから25歳の窪田正孝くんと比べるのはよします。窪田くん、がんばっていましたし、窪田アリダもとても可愛かった。声はもともとハスキーなのか、それとも枯れているのか、ちょっとガラガラでした・・(が、セリフはちゃんと届く)。最前だったので体もじーーーーーっと観てしまった。あら・・細マッチョ系 (((o(*゚▽゚*)o)))
最後のクライマックス!お甲さんが切った手首から吹き出す鮮血を浴びて転げ回るアリダは、とても美しかった。最後の窪田くんは血まみれの表情も、真っ白なTシャツが鮮血で深紅に染まった体もセクシーで、生まれたての狂気。新しい生が宿っていました。
なんだろう・・やっぱり、この場面がとても好きなのです。ただ・・大空祐飛さんのお甲と窪田アリダはあっさりしていた印象・・もっとふたりが同じベクトルで繋がるように官能的になっていったらいいな〜と思いました。アリダは禁断の恋に翻弄されてほしいなぁ・・。でも・・宝塚退団後初舞台となった大空祐飛さんは、かっこいいんだけど「男の体が欲しいのよ」という感じがしなかったなぁ。お互い遠慮しないでほしいなぁ。
西岡徳馬さんの銀メガネは白いスーツでしたが、平幹二朗さんの銀メガネは和装になっていたので、けっこう印象が違いました。西岡さんのほうがかなり胡散臭くて楽しい(笑)でも、平さんはさすが・・平さんの銀メガネもミステリアスで素晴らしかったです。
やっぱりくらべちゃった・・(* ̄^ ̄*)
カーテンコールで疲労困憊した様子の窪田くんの真摯さは好印象。また舞台やったら観に行こう。
蜷川さん、マームとジプシーの藤田貫大さんと対談。蜷川さん、朝日の劇評読んで興味を持って『cocoon』を観にいったのね。「打ちのめされた」って。小説「N団地、落下。のち、リフレクション。」は三回読んだって。蜷川さん、ご病気についても書かれていました。おふたりとも “病気” ですね “同類” の。すごくおもしろい対談でした。