ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

蜷川さんロングインタビュー 

これ、載せたつもりが、載せていなかったようなので。
演劇から、「時代の裂け目」が見えてくる 演出家・蜷川幸雄氏インタビュー(聞き手・構成/島崎今日子さん) http://webronza.asahi.com/synodos/2014071900002.html
すごく長いけれど、すごくおもしろいから読んでみてね。
 
エチュードのほかに、言葉の連想ゲームみたいな試験があった「ライオン」と聞かれて、「割れたスイカ」と答えたんですね。スイカが割れれば真っ赤で、ライオンの開いた口にそっくりだから。』←青俳の試験。
『ぼくの俳優としての初舞台は、安部公房さんの『快速船』という芝居だったんだけど、スクリーンに新聞記事が映してあって、それを指さして帰ってくるだけなのに、(舞台に)出ていったら、スクリーンにぶつかって、揺らして、めちゃくちゃになってしまった。終演後に、倉橋さんに「すみませんでした」って謝りにいったら、「まあ、一生懸命やってできないものはしょうがないよ」って。』
 
スタニスラフスキーの演技理論が感情を移入しながらものを作っていくということにあるとすると、安部さんは、「人間は悲しい出来事があるから泣くわけじゃなくて、涙が出るから悲しいんだ」と言うんですよ。「笑いなんていうのは筋肉の痙攣にすぎない」とか。』
 
『「行列の中で狂っていく男女の話を書こうかな」と言うから、「ああ、書いて」って。それで、一晩ででき上がったのが『真情あふるる軽薄さ』。演出家になるって宣言したわけでもなんでもないんだけど、戯曲ができたんですよ。」』『ある程度、頭の中にありましたね。情景や音については自分でよく考えているから。道具はなしで、置いてあるのは劇団員が座る客席代わりのパイプ椅子だけ、というふうにしてた。照明も、手作りの笠を電球につけるだけで、手動でガシャガシャと点いたり消えたりさせるとか、スライダック(変圧器)で明暗がつくようにしたりとか。出演者は蟹江(敬三)や石橋蓮司や、10代20代の研究生。それでやった芝居だった。』←ボルヒェルトの演出の話。
( さいたまネクスト・シアターの 『ヴォルフガング・ボルヒェルトの作品から の九章―詩・評論・小説・戯曲より―』がまた観たいなーー。)

幸四郎さんがすばらしかった。商業演劇のすごい人はすごいんだと感心しました。声は凜々としてるし、よく勉強するし。そのあと3本ぐらい幸四郎さんと一緒に仕事をしているんですけども、稽古に入る前に、一日予習するんだよ。ぼくが幸四郎さんのところに行って、漢字の読みを「これは間違いないですか」ってチェックしたり、どういうふうにやるかってことを話し合ったりして、帰ってくるんです。絶対に人前で背は向けないというか、恥はかかないということが倫理的に確立されてるから、かっこよかったですよ。それもおもしろかったんです。』
 
『そうですよね。ただ、ぼくは自分の置かれた状況をあまり快適に守ろうとしない。(シアターコクーンの)ぼくの楽屋はそこの廊下ですからね。』『そうなの。そこの廊下に椅子が2個、置いてありますけど。そういうところにいるんで、はじめてきた人は、「ええ!? 蜷川さん、こんな廊下にいるんですか」って言うわけ。廊下が楽屋ですか?って。こういうのがあるような(楽屋の鏡に触れる)、ちゃんとした部屋はないわけ。」』
 
『演劇って、もう一つの人生を生きているようなものなんですね。』『現実の人生は一つしか生きられないけど、演劇というのは、夢みたいなものだから、いろんな人生を生きるわけです。これは俳優にはあんまり言いたくないんだけど、そこでは、羞恥心や自我というものは抑えられて、ミニチュアの世界をもう一個抱えていて、それを作っているようなものなんですね。そこで、自分の自意識も溶ける。』『ぼくの場合は俳優をやめちゃったから、演劇をやっているということは、もう一つの人生を密やかに、ミニチュアみたいに作って、そこを生きているというようなことなんじゃないかと思う。」』