『二人だけの芝居―クレアとフェリース―』(劇団民芸)の劇評(塩崎淳一郎さん)
「2月に読売演劇大賞の芸術栄誉賞を受けた奈良岡朋子が姉、岡本健一が弟を演じる魅力的な組み合わせだ。2人は期待を裏切らぬ演技力で緊張感の高まりを表現。姉妹が倒錯した独自の関係性を構築した。」〜「奈良岡と岡本がぶつかり合う会話の基盤は、精神に変調をきたした実体験によるウィリアムズの内面が発した声だろう。心を病んだことによる妄想が、作者にも沸き起こったであろうことは想像に難しくない。舞台上での妄想と現実のせめぎ合いは激しい血みどろの格闘であり、目を背けたくなる光景と言えた。」「その表現は困難だっただろうが、奈良岡と岡本は、つかみどころのない妄想という心の動きを直視し、定型にはまりきらぬ人間の多様な顔を巧みに演じ分け、愛憎が交錯する姉弟の孤独、苦悩、絶望の果てにあるかすかな希望にたどり着く。」「決して派手な作りではないが、クレアとフェリースの間に見えてくる禁忌の性的は関係をも包括するダイナミックな物語世界が胸を打った。訳、演出がは丹野郁弓。」
「夢の劇」演出:白井晃 主演:早見あかり
「長塚圭史が台本を書き起こした。
「野鴨」文学座アトリエにて 作:ヘンリック・イプセン 訳:原 千代海 演出:稲葉賀恵 美術:乘峯雅寛 照明:服部 基 http://www.bungakuza.com/nogamo/index.html