「新国立にて『あわれ彼女は娼婦』最初から観劇。ハードな舞台だなぁ。兄妹ふたりのシーンが案外あっさりしてる（兄は猟奇的だけど）もしかしたら事務所NGなのかしら…」と帰りの電車でTweet。この戯曲、難しいね。
ジョヴァンニは狂おしいほど妹を愛しているけれど〜、ソランゾも嫉妬でメラメラしているけれど〜、魔性の女アナベラの手のひらで転がされる男たちって感じ。
でも最後に殺された妹を引きずってゆく光景がまるで妹のへその緒を引っ張っていくように絵的にグロテスク。最初のほうでジョバンニが修道士にする懺悔の中で、ぼくたちは同じ胎内に生をうけたから強く結ばれていると言った、あの場所へ、本当に一つになるために戻っていったのかもしれない。
今回は、リチャーデット浅野雅博さんの不実な妻ヒポリタ役の宮菜穂子ちゃんにびっくりした。今まで可愛い役しか観たことなかったので、大人の、しかも、あの役。ダンスもずば抜けていたわ。
浅野さんのリチャーデットの冷たさにもゾクゾクします。浅野さんの発声がとても綺麗で、とても好き。
この舞台、声が気になるのは、今回のアナベラ蒼井優ちゃんのセリフの言い方の強弱が大きすぎて聞きにくいから、余計感じるのかな〜。ベテランの皆さんの声はすーーっと入ってくるもの。アナベラの乳母西尾まりちゃんも。
そう、ジョヴァンニ浦井くんも！！こんなにうまい俳優さんだったんだ〜って、浦井くんの長いセリフを聞くのが心地よい。
誰かがヴァスケス（横田栄司さん）は「ブラックなホレイシオ」だって。わかるわ。横田さん、痩せてらした。
約3時間5分（第1幕90分 休憩20分 第2幕75分）
席は、15列のほぼ真ん中という良い席でした〜（最前列は６列）。今日は収録日だったようです。
先週１幕の途中から観たので、今日やっと・・。マリンバの音が先週よりおとなしめだった気がする。
舞台写真・公演記録 http://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/160613_008734.html
作：ジョン・フォード 翻訳：小田島雄志 演出：栗山民也 美術：松井るみ 照明：服部 基 音響：福澤裕之衣裳：前田文子 ヘアメイク：鎌田直樹 アクション：渥美 博 振付：田井中智子 演出助手：田中麻衣子 舞台監督：加藤 高
帰るとき、外ではなく中の階段から劇場の入り口までプリンスロードができていたわ（プリンスロードというのかわからないけれど）さすが浦井くん。
