今日、お通夜だったのですね。
「破格さと、真っすぐさと みずみずしい演技、傘寿過ぎてなお 平幹二朗さんを悼む」（山口宏子さん）
「千田是也が率いる俳優座で土台を築き、30代は劇団四季の浅利慶太とともに過ごした。戯曲のログイン前の続き文学性を第一とする浅利のもとで培ったのは、平が「言葉を真珠のように粒立て、首飾りのようにつなぐ」と表現するせりふ術。それは生涯の財産となった。」「42歳で蜷川幸雄と出会う。蜷川は、ギリシャ悲劇やシェークスピアを日本人の感性で読み、壮大で美しい舞台を作ろうとした。様式性もある強い演技で屹立し、明晰なせりふにのせて激情を放つ平は、その体現者だった。」
「演技では貫禄と迫力で圧倒するが、人柄は尊大さとは無縁。ユーモラスで率直だった。「枯れた老人役が似合う中肉中背に憧れる。僕は大きな体を満たそうと力を出し続け……『怪優』になってしまいました」と笑い、慣れないタイプの役の稽古では「○○さんなら、上手だろうなあ」とぼやく。軽やかに動きまわった後の楽屋では「舞台を降りれば年相応」と膝をさすった。」「80歳を過ぎても、次々と新作に取り組んだ。膨大なせりふをよどみなく語り、みずみずしい演技で観客を魅了した。老いや衰えのかげも見せず、主演舞台を９日に終えたばかり。連続ドラマに出演中で、来年の舞台の準備も始まっていた。そこに急逝の報。まるで芝居の最中に唐突に明かりが落ち、主役が消えたような、強い衝撃を受けた。」
