映画『空に住む』
観終わるころに「これ難しいな」と思った。楽しみ方が・・・つまらなくはないし、なんだか詩的(とも違うのかも)哲学的?
「地上で人は平行線に生きていて交わらない」「ずっと先の宇宙で交わる」みたいなことをペットの葬儀屋さん(永瀬正敏)。
同じ高層マンションに住んでいる人気スター俳優の時戸森則(岩田剛典)もヒロイン直実(多部未華子)が住む39階の窓際で同じようなことを言っていた。彼を知りたい。まるでわからない。煙のよう。
人間関係を考えながら終わる映画。
もともと空っぽなところがあって、そのままで平気なひと、それを何かで埋めようとするひと…
どこか空っぽの虚しい3人の女性を自分と重ねてみたり。
直実の職場の同僚の愛子(岸井ゆきの)も特別ではないのかもしれない。結婚相手の高橋洋くん演じる編集長の気持ちが知りたいと思う。愛子の子どもの父親のことを直実も社長も知っているということは…編集長が知らないわけがない。
愛子を巡るサイドストーリーも気になります。
小説家吉田(大森南朋)が書く時戸の哲学の本も読みたい。
「ねえ、オムライス作れる?」と言った彼が「たまご、嫌いなんだ」と言ったのはなぜ?そこの機微がわからなかった。叔母さんが合鍵を持っていただけで?
距離が縮まったと思ったとたんに突き放されたときの絶望感、私にも覚えがある。もちろんお相手は一般人(笑)
空に住む多部ちゃんが勤めている地面にある出版社の同僚に占部房子さんとむっちゃん(土井ケイトちゃん)も😊
多部ちゃんの衣裳がどれも可愛かった😍直実はグリーンが好きなのね。 叔母・明日子さん(美村里江)も素敵。叔母といっても叔父(鶴見辰吾)若い奥さん(ミムラ、改名していたのね。『人間風車』のときはまだミムラだった)。
衣裳は篠塚奈美さん!
浦和に来て初めて(浦和レッズの練習場には歩いて行ったので)のさいたま新都心の映画館。なかなかいいかも。定期ないけれど、都内に出るより便利。
「『空に住む』1シーンのみの出演でしたが、親友が書いた小説の映画化、特別な作品になりました。是非劇場へ!」永瀬正敏 https://twitter.com/m_nagase_66/status/1319475492139855872?s=21
永瀬正敏「10代の頃、僕達は伸ばした手で繰り返し空を掴む様に、何かに向かいただガムシャラに走った。時が経ち彼は作詞家になり、そして小説家になった。青山真治監督によって新たな命が吹き込まれたその現場に、まさか自分が立てるとは。短い間だったけど今までにない特別な現場になった。親友小竹正人に、二人の歴史に感謝したい。」
美村里江¥「活字で読んだ時と、映像として人の体温と陰影が重なった後では随分印象の変わる作品です。雲のように漂っているのは主人公の直実だけではなく、どの人物も色・大きさ・水分量の違う、そして流れている層も異なる一群れの雲に私には見えました。重なっているようで遠かったり、離れて見えて近いこともあるのかもしれません。」