ソワレ観劇だと帰宅が遅いので今夜もちゃんと感想書けない。取り急ぎ旧Twitterにポストしたもの+…をおいておくことに。
戦争はあらゆるものを動員しました。それは芸術も例外ではありませんでした。いわゆる文人と呼ばれた高名な作家たちも、戦争に協力するためにその筆を使ってこぞって戦争讃美の作品を創作したのです。しかし1945年8月15日、敗戦によって180度価値観が転換し、それらの作品は価値を失いました。国が破れても文人たちの人生は続きます。今作では、実在の歌人・斎藤茂吉と家族・弟子を通じて、戦争という大きな時代の流れに翻弄された芸術家の挫折と再生を描きます。(劇団チョコレートケーキ)
「あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり」
近代短歌の発展に大きく影響を及ぼした歌人・斎藤茂吉。戦争は終わったというのに未だ故郷である山形県金瓶にひとり疎開を延長中。
老いてなお悩めるこの老歌人が見失い、なお見出そうとあがき続ける「一本の道」とは?
(村井國夫さんが体調を崩され、 緒方晋さんが代役をつとめました。 5月10日に発表)
下北沢の駅前劇場にて『白き山』観劇。A列で。
いつも難しい顔している役が多い劇団員3人のくるくる変わる表情が超キュート!茂吉お父さまの雷から逃げる反射神経たるや… 身に付いてる感じで楽しかったです。
思い切り笑える劇チョコもいいね。どくとるマンボウ北杜夫さんの本名(次男の斉藤宗吉)知りませんでした。
下の写真の場面が目の前だったので、表情がおもしろくて〜。この部屋の前の縁の下に次男宗吉が虫を見つけてはよく転がるのは私得でした。宗吉のぶつぶつ呟くのも聞こえたりね。(撮影:池村隆司さん)
飄々としているように見えて夜中にうなされる長男・茂太(浅井さん)の話、戦争中の母子の話をする次男・宗吉(西尾さん)が医師として戦争を見てきたことで、戦争に行かずに歌を詠んでいた父を詰る場面も・・・宗吉が吐き出せてよかった。
緒方晋さんが演じた晩年(戦後 1945年)の斎藤茂吉がとても人間っぽくて素敵。戦争詠みのくだりが刺さりました。本人がいちばん気づいている「老い」、子どもたち(といっても成人している)から見た「老い」の切なさ。
鞄の中にまさかのあれ…食いしん坊ですね。食い気があるのは元気な証拠!安心しました、茂吉センセ。
岡本さん演じる高弟の山口茂吉と茂吉センセの関係も。いちばん雷を落とされた山口さんだけど、とても一途に茂吉センセへの尊敬と愛情でお仕えし、茂吉も歌人でもある高弟茂吉を信頼しわがまま言える関係だったのが伝わって来ました。最後よかった〜山口さんますます愛情深く支えそう。
茂吉センセと山形弁ネイティブな北海道出身の柿丸美智恵さん演じるみやさんとの、みやさんが東京弁になるあの場面から涙腺崩れました。
賄いのみやさんが実は才女で茂吉の「赤光」初版本から愛読していたこと、戦争で大切な息子さん3人亡くしていたことにふれる場面、気丈なみやさん素敵でした。
「死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる」
「灰のなかに母をひろへり朝日子の のぼるがなかに母をひろへり」
(撮影:池村隆司さん)
たくさん人が死んでいった戦争中は泣いているように見えた蔵王の山が今は(息子たちが「ここでずっとおかあちゃんば見守ってだぞ」と)声をかけてくれているように見えるとみやさん。もう涙涙です。ここで私は自分が育った横浜の家のベランダから毎日朝に晩にと眺めていた港の景色を思い出していました。
ラストの蔵王の白き山並み(この写真はラストではない)がとても美しく、前へ進めと言っているようでした。
茂吉センセー、鰻食べられてよかったですね。
脚本:古川 健 演出:日澤雄介
出演:緒方晋(The Stone Age) 柿丸美智恵 / 浅井伸治 岡本 篤 西尾友樹(劇団チョコレートケーキ)
舞台美術:長田佳代子 照明:和田東史子(松本デザイン室) 音響:佐藤こうじ(Sugar Sound) 音楽:佐藤こうじ(Sugar Sound)
衣装:藤田 友 タブレット字幕:G-marc(株式会社イヤホンガイド) 演出助手:石塚貴恵 舞台監督:本郷剛史 宣伝美術:R-design 写真:池村隆司 撮影:神之門 隆広(tran.cs) Web:ナガヤマドネルケバブ 制作協力:塩田友克 制作:
🥘今日は次男・斉藤宗吉を演じた西尾さんのアフターアクト回。宗吉が齧ったかぶを材料にした宗吉クッキング!最後に食いしん坊の茂吉お父さまの登場で盛り上がりました!楽しかった〜今度あのレシピで作ります。
完売回もありますが、超おすすめです。5,000円で良質な舞台が観られます。
緒方さんバージョンのチラシ置いてないかな?と「劇」小劇場のラックを見に行ったら壁の画面に西尾さんが映っていて、え?となりました。
相変わらず親切な当日パンフレットと年表や用語解説。
【追記】西尾さんのアフターアクトの台本がアップされました!
「白き山」本日はアフターアクトまでお付き合い頂きありがとうございます。
— 西尾友樹 (@240yuki) 2024年6月12日
いつも通り本編にはなんの影響も及ばさないであろう台本ですが、情報も時間も無い中、ひねり出したのでアップします。
足したり引いたりしながらやりました。また16日にやります。#劇団チョコレートケーキ#アフターアクト pic.twitter.com/BT3F3FnMyr
新作『白き山』につづき、新作『つきかげ』11月7日(金)〜17日(日)下北沢・駅前劇場にて連作