ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

PARCO presents『変身』東京千秋楽★★★★★ 

 作:フランツ・カフカ 、脚本・演出 美術・音楽:スティーブン・バーコフ。18年ぶりの上演だそうです。
とても面白かったです!!カフカの『変身』は大人になってから読んだものなのですんなり入れたわ。原作に忠実だと思います・・でも・・・・こんなに後味悪いラストだっけ?セリフが心に刺さります。ラストのザムザ一家のセリフにゾッとしました。いやぁもう凄まじい家族崩壊ドラマでした。
広いステージのセンターにグレゴールの部屋を設定した、蜘蛛の脚のようにも見えるジャングルジムをもっと簡素にしたようなシンプルなセット。光と影(美しい照明!)。効果音(キーボードやパーカッションの生演奏)、グレゴールから発する音、声にならない叫び声。緊張感たっぷりの舞台でした。そのパイプにぶら下がり、四つん這いで這い回るグレゴール・ザムザ演じる森山未來くんの動きはリアルで、どんどん本当の虫になっていくように見えて切なかった。見た目はスタイリッシュな青年ですが。リンゴをぶつけられ、背中にめりこみ腐っていくのまでリアルに感じました。誰か、早くグレゴールのリンゴをとってあげて!おかあさん!と心の中で叫んでしまいました。
グレゴール演じる未來くんはもちろんのこと(あの身体能力はアートですね!)、ザムザ家のお父さん(永島敏行)お母さん(久世星佳)妹グレタ(穂のか)の3人のパントマイムのような動きが素晴らしく面白かったです。言葉で表せないけれど・・そのコミカルにも見える動きに愛情や感情が見えなくて、この家族の崩壊がそこに見えました。
ああグレゴール、虫になったときに部屋に引きこもらずに自由になれるところへ飛んで行ってしまえばよかったのに・・・。