ほらほらコーヒーが冷めちゃってるよ 2

好きな人に伝えたいことはできる限り直接伝えます。都々逸作っています。浦和レッズと演劇と映画と音楽が大好き! 田島亮(・中嶋将人)、成河、亀田佳明、イキウメと浜田信也。演出家・藤田俊太郎を応援しています。小林賢太郎・片桐仁、ラーメンズは永遠に好き。B'z、BrandonBoyd&Incubus、JasonMraz、大橋トリオ、Eddie Redmayne

「ハムレット」 レビュー 

日経webに彩の国シェイクスピア・シリーズ番外編『ハムレット』レビュー(内田洋一さん)わぁ〜って思うくらい読み出があります。一部抜粋。http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82387640W5A120C1000000/?dg=1
『能は亡霊の演劇であり、死者のまなざしで幻の過去を再現する。その劇構造を取り込むことで、人の気配のないうら寂しい貧乏長屋は幻影を映し出す夢の時空へと跳躍する。長屋はしばしば闇におおわれ、光が点滅するように劇が進行する。藤原竜也の演じる「長屋のハムレット」は孤独な夢想者であり、彼の前に現れる人々は時に幽霊のようでもある。そこは生死の境界とも見えるのだ。』
『これまで蜷川ハムレットの主役は藤原以外、平幹二朗渡辺謙真田広之市村正親、マイケル・マロニー、川口覚が演じた。二度目となる藤原のハムレットは、性の不安と正義への突進が結び合うあたりに演技の個性が色濃くにじむ。前回は体当たりの新鮮さが評判を呼んだが、今回はセリフに血を通わせる挑戦。ハムレットを惑乱させる言葉のひとつは「近親相姦」だ。母を汚されたと感じる青年はその母に性的な衝動をもつ。一方で純粋なオフィーリアへの愛はとげられない。性的な不全感が反抗をうながすさまが、くっきり。母への屈折した恋情は寺山修司作「身毒丸」でやはり藤原が蜷川演出で演じた。それだけに迫真となる。』
母に性的な衝動場面、けっこう衝撃を受けました。
『権力への欲望、復讐、闘争といった野心が渦巻くデンマークの宮殿は死体が積まれた末、滅ぶ。フォーティンブラスのセリフに、ベートーベンのピアノ・コンチェルト第3番第2楽章ラールゴのひそやかなピアノ。観客によっていかようにも受け取れる終局ではあるけれど、ピアノ独奏の至高の音色が兆すと長屋の闇から一筋の光が差してくるのを感じないわけにいかなかった。「ハムレット」でこんな静かな幕切れがありえたのか。』『私はこう受けとめた。生活のために闘い、けれど夢破れ、斃れていった無名の青年たち。今は闇の中にいるだろう無数のハムレットたちへの、これはひそやかな挽歌でもあったのではないか』
『初日(1月22日)は、展開の足どりが重く感じられたが、日をおってリズム感が増すだろう。おそるべき熱源、蜷川幸雄に拍手を。』