残業だったので日韓戦は最後の15分を観ただけだけど、3点目の遠藤くんのヘディングゴールは見ることが出来た!日本完勝おめでとう。
古本屋さんから『ダム・ウェイター(The Dumb Water)』=『料理昇降機』が載っているハロルド・ピンターの本が届いた。60年くらい前の戯曲だけど、今回ほぼ戯曲通りだった(違うのは茶が紅茶になっているとかのレベル)。すご〜い。
原作:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
巻末の解説も喜志哲雄さんでした。良かった。
『二人の人間が「ある部屋」のことを話しているとき、その部屋は一つであるかも知れないし、一つでないかも知れない。過去の「ある時」のできごとについて複数の人間が語っている時、彼らは同一の時を念頭においているかも知れないし、いないかも知れない。』とあった。
戯曲だけ読んでもわからないけれど、楽園で舞台を観たのでわからないなりに文字が言葉になってくれる。
『ダム・ウェイター』★★★★★ https://magnoliarida.hatenablog.com/entry/20210319/1616159886
この舞台、ガスとベンの会話が噛み合わない。サッカーの試合の話も曖昧、止まっていた車の話も、ガスはここはどこなのかも曖昧だったり。とにかくひとりうるさい。
ドアの下にマッチの入った封筒を置いたのは多分ボスの指令だろうけれどなぜ?そこにはベンが気づくメッセージがあったのか?ガスに火をつけろという。
(火をつけられないマッチ=用無し=ガスはもういらない。殺し屋なのに殺した女の子のことを気にかけるガスは殺し屋に向かない=用無しのマッチ)だと友だち。ガスは不満ばかり言っているし、殺し屋なのに無防備で緊張感がない。
あ、「やかんに火をつけろ」のやかんも用無しだ。
ガスはベンに、今夜の仕事のことを、どんなやつになるのかを知っているんじゃないか。という会話。
これまでと違う家だと、銃声にも気づかれない部屋だと。地下室という設定がラストに感じるモヤモヤとリンクする。
ベンは持ち主を知っている。
ベンしか上の誰かと話していない(通話管)
今夜の仕事の話をするガスにベンは答えない。ほとんどベンは答えない。
そして、仕事の手順を教えてやるとベン。
ガス「やつにはお前が見えない」
「だがおれは見える」
「やつにはお前がいることがわからない」
「やつが振り向いたら」
「お前がそこにいる。」
( )のト書きが、ベン、ガス、彼、やつ、と混じるのでやっぱり混乱する。
ガスが向こうの部屋に行ってもどった2回目はとくに会話になっていない。
またガスが水を飲みに行っていないときに通話管からの届いたメッセージに
「男は着いた、すぐにやってくる」
「二人とも用意はできています」
とベン。
そして、ガス!と呼ぶと、ドアが開いて
外からのドア(観客もそこから入った)から入ってきた男に「普通の方法を用いて(それからピストルを抜く手順)
その、入ってきた男は ガス!
やつ=ガス だったのか?
話が繋がっていない。台所らしい場所は外に通じていないはず。
なので、そのシーン以外がベンの回想ならば腑に落ちる。ベンの「記憶」なら「沈黙」もなんとなく理解できる。
(シス・カンパニーの同じ舞台のあらすじを高野しのぶさんのサイトで読んだら、ラストの、戯曲にはないその先のシーンが書かれていた。親切に…)
「殺し屋が殺される者になる」組織に疑問を持ったガスはいらない・・・
あ、ベンが読んでいた新聞はデイリー・ミラーらしい。労働者階級の権利を守るための政治的な日刊のタブロイド紙。http://www.news-digest.co.uk/news/features/567.html
ギリシャ料理らしいマカロニ・パスティツィオとかオルミタ・マカナーダがどんな料理なのか検索しても出てこなかったけれどね。
この本、1,000円くらいだったのに綺麗!前の持ち主のアンダーラインとか、ほっこりする。
森新太郎さん演出で観た『管理人』も載っている!
『管理人』★★★★★